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専利代理条例

李克強が国務院令に署名 改定後の「専利代理条例」を公布


国務院総理の李克強は先日国務院令に署名し、改定後の「専利代理条例」(以下、「条例」 という)を公布した。改定後の「専利代理条例」は、2019 年 3 月 1 日より施行する。

1991 年より施行された「条例」は、専利代理活動の規範化、専利事業の発展促進に積 極的な役割を果たした。我が国の社会主義市場経済体制の継続的な改善に伴い、専利代理 業界にも大きな変化が見られた。改定後の「条例」は、専利代理業務執行参入許可、業務 執行規範化とサービス監督管理などの面において関連する制度を改善した。

「条例」は専利代理師業務執行参入許可制度を改善し、「大学の理工学科の短大以上の 学歴を持つ中国国民が全国専利代理師資格試験に参加することができる。試験に合格した 場合、国務院専利行政部門から専利代理師資格証書を授与される。法定条件に合致すれば 業務執行できる。」と規定した。

「条例」は専利代理機構業務執行参入許可制度を改善し、「専利代理機構の組織形態が パートナー企業、有限責任会社などでなければならない。専利代理業務に従事するには、 法定条件を備え、国務院専利行政部門に申請し、関連資料を提出し、専利代理機構業務執 行許可証を取得しなければならない。国務院専利行政部門は申請を受理してから 20 日以 内に専利代理機構業務執行許可証を発行するか否かの決定を下さなければならない。」と 規定した。 

「条例」は業務執行規範とサービス監督管理を改善し、「法律に別途規定がある場合を 除き、如何なる事業体や個人も、自ら国内で専利出願やその他の専利業務を行うことがで き、法により設立された専利代理機構に委託することもできる。専利代理機構の費用徴収 は、自由意志、公平と信義誠実の原則を堅持し、経済的効果利益と社会的効果利益を両立 させなければならない。」と規定した。専利代理機構、専利代理師による業務執行の行動 規範とそれ相応の法的責任をさらに明確にした。「専利代理業界組織は会員の自律管理を 強化しなければならない。」と規定した。「専利業務の管理部門はサービスを強化し、検査 監督手法を改善し、事中・事後の監督管理を強化しなければならない。」と強調した。 


中華人民共和国国務院令

第 706 号


「専利代理条例」は 2018 年 9 月 6 日に国務院第 23 回常務会議で改定、採択された ので、改定後の「専利代理条例」を公布し、2019 年 3 月 1 日より施行する。 


総理 李克強

2018 年 11 月 6 日 


専利代理条例


(1991 年 3 月 4 日付けの中華人民共和国国務院令第 76 号にて発布、2018 年 9 月 6 日 付けの国務院第 23 回常務会議で改定、採択)


第一章 総則 


第一条 専利代理行為を規範化し、委託者、専利代理機構及び専利代理師の合法的 権益を保障し、専利代理活動の正常な秩序を擁護し、専利代理業界の健全的な発展を 促進するために、「中華人民共和国専利法」に基づき、本条例を制定する。 

第二条 本条例にいう専利代理とは、専利代理機構が委託を受け、委託者の名義で、 代理権限の範囲内で、専利出願、専利権無効宣告などの専利業務を行う行為を指す。

第三条 如何なる事業体や個人も、自ら国内で専利出願やその他の専利業務を行う ことができ、法により設立された専利代理機構に委託することもできる。法律に別途 規定がある場合は除く。

専利代理機構は、委託者の委託に従って専利業務を行わなければならない。

第四条 専利代理機構と専利代理師は業務執行に当って、法律と行政法規を守り、 職業道徳及び業務執行規律を守り、委託者の合法的権益を擁護しなければならない。 

専利代理機構と専利代理師が法により業務を執行することは法律に保護される。

第五条 国務院専利行政部門は、全国の専利代理管理業務に責任を負う。 

省、自治区、直轄市の人民政府の専利業務管理部門は、各自の行政区域内の専利代 理管理業務に責任を負う。 

第六条 専利代理機構と専利代理師は、法により専利代理業界組織を設立し、それ に加入することができる。

専利代理業界組織は、専利代理業界自律規範を制定しなければならない。専利代理 業界自律規範は、法律や行政法規に抵触してはならない。

国務院専利行政部門は、法により専利代理業界組織を監督、指導する。 


第二章 専利代理機構と専利代理師


第七条 専利代理機構の組織形態は、パートナー企業、有限責任会社などでなけれ ばならない。 

 第八条 パートナー企業、有限責任会社という組織形態をとる専利代理機構は専利 代理業務に従事するには、以下のような条件を満たさなければならない。 

(一)法律や行政法規の規定に合致する専利代理機構名称を有すること。 

(二)書面によるパートナー協議書又は会社の定款を有すること。 

(三)独立した経営場所を有すること。 

(四)パートナー、株主が国家の関連規定に合致すること。 

第九条 専利代理業務に従事するには、国務院専利行政部門に申請し、関連資料を 提出し、専利代理機構業務執行許可証を取得しなければならない。国務院専利行政部 門は、申請を受理してから 20 日以内に専利代理機構業務執行許可証を発行するか否 かの決定を下さなければならない。

専利代理機構のパートナー、株主又は法定代表者などの事項に変更がある場合、変 更手続きを行わなければならない。 

第十条 大学の理工学科の短大以上の学歴を持つ中国国民は、全国専利代理師資格 試験に参加することができる。試験に合格した場合、国務院専利行政部門から専利代 理師資格証書を授与される。専利代理師資格試験弁法は、国務院専利行政部門が制定 する。 

第十一条 専利代理師は業務執行に当って、専利代理師資格証書を取得し、専利代 理機構で満1年実習し、かつ一つの専利代理機構に就業しなければならない。

第十二条 専利代理師は初めての業務執行に当って、業務執行の日から 30 日以内 に専利代理機構所在地の省、自治区、直轄市の人民政府の専利業務管理部門に届け出なければならない。

省、自治区、直轄市の人民政府の専利業務管理部門は、専利代理師のインターネッ トを通じた届出に便利を図らなければならない。 


第三章 専利代理業務執行


第十三条 専利代理機構は委託を受けて、専利出願、専利権無効宣告、専利出願権 や専利権の譲渡及び専利実施許諾契約の締結などの専利業務を代理することができ、 当事者の要求に応じて専利業務に係るコンサルティングを提供することもできる。 

第十四条 専利代理機構は委託を受けるには、委託者と書面による委託契約を締結 しなければならない。専利代理機構は委託を受けた後、同一の専利出願又は専利権の 業務に関して利害の衝突があるその他の当事者の委託を受けてはならない。 

専利代理機構は、同機構において業務執行している専利代理師を指定して専利代理 業務を引き受けさせなければならない。指定された専利代理師本人とその近親は、そ れが引き受けた専利代理業務と利害の衝突があってはならない。 

第十五条 専利代理機構は解散した場合、又は業務執行許可証を取り消され、取り 上げられた場合には、各種の未完結の専利代理業務を適切に処理しなければならない。 

第十六条 専利代理師は、専利代理機構の指定に従って専利代理業務を引き受けな ければならず、独自に委託を受けてはならない。

専利代理師は、同時に 2 つ以上の専利代理機構において専利代理業務に従事しては ならない。

専利代理師は、それが署名して取り扱う専利代理業務に責任を負う。 

第十七条 専利代理機構と専利代理師は、それらが業務執行過程において知り得た 発明創造の内容について、専利出願で既に公布又は公告された場合を除き、機密保守 の義務を負う。 

第十八条 専利代理機構と専利代理師は、自分の名義で専利出願や専利権無効宣告 請求を行ってはならない。

第十九条 国務院専利行政部門と地方人民政府の専利業務管理部門の職員は離職 した後、法律や行政法規に規定された期間内に、専利代理業務に従事してはならない。 

国務院専利行政部門又は地方人民政府の専利業務管理部門に勤めたことがある専 利代理師は、それがかつて審査、審理又は処理した専利出願や専利案件を代理しては ならない。 

第二十条 専利代理機構の費用徴収は、自由意志、公平と信義誠実の原則を堅持し、 経済的効果利益と社会的効果利益を両立させなければならない。 

国は、専利代理機構と専利代理師が零細企業及び無収入や低収入の発明者、考案者 に専利代理援助サービスを提供することを奨励する。 

第二十一条 専利代理業界組織は、会員の自律管理を強化し、専利代理師業務トレ ーニングと職業道徳、業務執行規律教育を組織展開し、業界自律規範に違反した会員 を懲戒しなければならない。

第二十二条 国務院専利行政部門と省、自治区、直轄市の人民政府の専利業務管理 部門は、無作為抽出などの手法を取り、専利代理機構と専利代理師による業務執行活 動を検査、監督しなければならない。本条例の規定に違反したと発見した場合、速や かに法により処理するとともに、社会に検査、処理の結果を公布しなければならない。 検査に当って、如何なる費用も請求してはならない。 

第二十三条 国務院専利行政部門と省、自治区、直轄市の人民政府の専利業務管理 部門は、専利代理公共情報の発布を強化し、公衆が専利代理機構の経営状況、専利代 理師の業務執行状況を把握できるよう、検索サービスを提供しなければならない。


第四章 法的責任


第二十四条 真実を隠し、虚偽により専利代理機構業務執行許可証、専利代理師資 格証書を取得した場合、国務院専利行政部門がその専利代理機構業務執行許可証、専 利代理師資格証書を取り消す。

専利代理機構が業務執行許可証を取得した後に、状況の変化で本条例に規定された 条件に合致しなくなった場合、国務院専利行政部門が期限を定めて是正を命令する。 期限を過ぎても是正しておらず又は是正したが合格できなかった場合、その業務執行 許可証を取り消す。 

第二十五条 専利代理機構に下記のいずれかの行為がある場合、省、自治区、直轄 市の人民政府の専利業務管理部門は期限を決めて是正を命令し、警告を与え、10 万元以下の罰金を課すことができる。情状が重大又は期限を過ぎても是正しなかった場合、 国務院専利行政部門は新規専利代理業務の引き受けを 6 ヶ月ないし 12 ヶ月停止し、 ひいては、専利代理機構業務執行許可証を取り上げる懲戒を与える。 

(一)パートナー、株主又は法定代表者などの事項に変更があったが、変更手続き を行わなかった場合。 

(二)同一の専利出願又は専利権の業務に関して利害の衝突があるその他の当事者 の委託を受けた場合。 

(三)専利代理師を指定してその本人やその近親と利害の衝突がある専利代理業務 を引き受けさせた場合。 

(四)委託者の発明創造の内容を漏洩し、又は自分の名義で専利出願や専利権無効 宣告請求を行った場合。 

(五)管理をおろそかにし、深刻な結果をもたらした場合。

専門代理機構が業務執行過程において委託者の発明創造の内容を漏洩し、国家秘密 の漏洩、営業秘密の侵害に係り、又は関連する行政、司法機関のスタッフに賄賂を使 い、虚偽の証拠を提供した場合、関連する法律、行政法規の規定により、法的責任を 負う。国務院専利行政部門は、専利代理機構業務執行許可証を取り上げる。

第二十六条 専利代理師に下記のいずれかの行為がある場合、省、自治区、直轄市 の人民政府の専利業務管理部門は期限を決めて是正を要求し、警告を与え、5 万元以 下の罰金を課すことができる。情状が重大又は期限を過ぎても是正しなかった場合、 国務院専利行政部門は新規専利代理業務の引き受けを 6 ヶ月ないし 12 ヶ月停止し、 ひいては、専利代理師資格証書を取り上げる懲戒を与える。 

(一)本条例の規定に従って届け出なかった場合。 

(二)独自に委託を受けて専利代理業務を取り扱った場合。 

(三)同時に二つ以上の専利代理機構において専利代理業務に従事した場合。 

(四)本条例の規定に違反して、それがかつて審査、審理又は処理した専利出願や 専利案件を代理した場合。 

(五)委託者の発明創造の内容を漏洩し、又は自分の名義で専利出願や専利権無効 宣告請求を行った場合。 

専利代理師は業務執行において委託者の発明創造の内容を漏洩し、国家秘密の漏洩、 営業秘密の侵害に係り、又は関連する行政、司法機関のスタッフに賄賂を使い、虚偽 の証拠を提供した場合、関連する法律、行政法規の規定により、法的責任を負う。国 務院専利行政部門は、専利代理師資格証書を取り上げる。

第二十七条 本条例の規定に違反して無断で専利代理業務を展開した場合、省、自治区、直轄市の人民政府の専利業務管理部門は違法行為の停止を命令し、違法所得を 没収し、違法所得の 1 倍以上 5 倍以下の罰金を併科する。

第二十八条 国務院専利行政部門又は省、自治区、直轄市の人民政府の専利業務管 理部門のスタッフは本条例の規定に違反して、権限を濫用し、職務を怠り、不正を働 いた場合、法により処分を与える。犯罪を構成した場合、法により刑事責任を追及す る。


第五章 付則


第二十九条 外国の専利代理機構は中華人民共和国の境界内に常駐代表機構を設 立する場合、国務院専利行政部門の許可を得なければならない。

第三十条 弁護士事務所は、「中華人民共和国弁護士法」、「中華人民共和国民事訴 訟法」などの法律、行政法規により、専利に係る業務に従事することができるが、専 利出願、専利権無効宣告の代理業務に従事するには、本条例の規定を遵守しなければ ならない。具体的な方法は、国務院専利行政部門が国務院司法行政部門と協議したう えで別途制定する。

第三十一条 国防専利業務を代理する専利代理機構と専利代理師の管理方法は、国 務院専利行政部門が国家国防専利機構の主管機関と協議したうえで別途制定する。

第三十二条 本条例は 2019 年 3 月 1 日より施行する。 

本条例が施行される前に法により設立した専利代理機構及び法により業務執行し た専利代理人は、本条例の施行後にも、引き続き専利代理機構、専利代理師の名義で 専利代理業務を展開することができる。 


出所: 2018 年 11 月 21 日付け中華人民共和国司法部中国政府法制信息ネットを基に JETRO 北京 事務所で日本語仮訳を作成 

http://www.moj.gov.cn/news/content/2018-11/21/bnyw_42952.html


※本資料は仮訳の部分を含みます。ジェトロでは情報・データ・解釈などをできる限り 正確に記するよう努力しておりますが、本資料で提供した情報などの正確性についてジェ トロが保障するものではないことを予めご了承下さい。

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