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GUIはグラフィカルユーザーインターフェース(Graphical User Interface、GUI)の略称であり、ウィンドウ、アイコン、メニューなどの視覚要素を通じて、ユーザーと電子機器との対話を実現させるインターフェースを指す。GUIの特徴は操作の直感性と簡易性であり、グラフィカルな操作を通じてユーザーと機械とのインタラクションを簡素化することができる。一方、電子機器の普及に伴い、GUIに対する侵害事件もますます頻繁になっている。本稿では、専利法、著作権法、反不正当競争法に基づくGUI保護について検討する。


様々なGUI(出典:BAIDU)
一
専利法によるGUI保護
2014年改正の『専利審査指南』では、GUIは意匠権の保護対象に含まれることが明記されている。登録されれば、GUIは専利法による力強い保護を受けることができると言える。
なお、GUIが意匠権の保護を受けるには制限もある。というのも、現行の専利制度において、『専利法』による意匠の定義は依然として「商品のデザイン」に限定されており、また、『専利審査指南』も前記定義の枠から外れないように「グラフィカルユーザーインターフェースに係る商品のデザイン」との表現をしている。すなわち、現行の法制度により、GUIは、それを搭載する電子機械に附する形ではじめて意匠権の保護を受けることができる。裏を返せば、GUIのイメージを無断で衣服の模様等に使用される場合、たとえ図形が完全に同一であっても、意匠権侵害には該当しない。
侵害者はGUIを搭載する電子製品を生産する場合、製品に使われるGUIを開発したのみならず、侵害製品の生産も実施したため、通常の意匠権侵害事件とは大差がなく、専利法第十一条に基づいて権利侵害の責任を求めればよいである。
他方で、侵害者はGUIの開発又はダウンロードリンクを行う一方、GUI付き製品の生産、販売、販売の申し出、輸出入等行為に関与していない場合、従来の数年間の裁判例を概観すれば、権利侵害とされないことは多い。とはいうものの、(2022)沪民终281号事件における上海市高級人民法院の判決は新たな方向性を示した。本件において、原告人の金山社は、被告人の萌家社が開発し、ダウンロードを提供した「趣鍵盤」アプリは自社の第ZL201830455426.5号「移動通信端末に使用されるGUI」意匠に対する権利侵害に該当するとして提訴した。それに対し、法院は本件侵害行為の発生をスマホメーカー、システム開発者、ユーザー、GUI開発者(被告人)等多数の者による独立した行為の結合に起因すると解した上、その中でGUI開発者(被告人)は代替不可能かつ実質的な役割を果たしたとし、被告人による意匠権侵害を認めた。
本件判決により、GUI開発者及びダウンロード提供者の法的責任がより一層明確化された。もとより、GUIの開発と提供はGUIが製品で具象化される主因であり、それを行う者は侵害行為において要となる役割を果たしており、法的責任を負うのは正当である。

係争意匠権ZL201830455426.5

「趣鍵盤」アプリ
(出典:上海知識産権法院Wechat公式アカウント)
二
著作権法によるGUI保護
GUIは専利法による保護を求めるには、登録が認められることを前提とし、しかも電子機械に付さなければならない。それに対し、無方式主義を採用する著作権法の領域で、GUIは各要素の結合、配列、色彩等において一定の独自性を有すれば、著作物に該当し、著作権法の保護を受けることができる。また、電子機械での搭載であれ、服でのプリントであれ、形式を問わず、図形が同一または実質的に同一であれば、権利侵害が認められる。
(一)GUIのデザインに一定の独自性は必要
GUIは畢竟ユーザーの操作、内容の表示に使用されるものであり、レイアウトや各要素の組み合わせはありふれるものである場合が多い。その場合、独自性の欠如により著作物に該当しない。一方、各要素の選用や配列はデザイナーが「創造的に表現したもの」と評価できる場合、著作物に該当する。
(2019)京73民终632号事件において、法院は原告人のカラオケ曲選択画面の著作物性の成否について、3*3の配列は通常の表現であり、また、星空をバックグランドとするのもありふれるデザインであると評価した上、原告人が主張した曲選択画面のGUIは前記通常要素の簡易な組み合わせにすぎず、美術著作物に求められる創作性を有しないため、著作物に該当しないと解した。

係争曲選択画面GUIの写真(出典:「知識北京」Wechat公式アカウント)
GUIの著作物性を認める裁判例を挙げると、(2019)京0101民初16169号事件において、法院は、原告人のモニターGUIは多種の図形、字体、色彩等要素を特定のサイズで特定の位置に配置して構成されており、その中の一部の要素自体に独自性を欠けているが、各要素の選用及び配列、結合において創造の余地があり、デザイナーの創造的な表現を反映し、一定の美感も有するため、美術著作物に該当すると解した。
総じて言えば、法院はGUIの著作物性の成否を審査するにあたり、デザイン全体の独自性を勘案することになる。GUIは通常要素の簡易な組み合わせに構成される場合、著作物に該当しない。他方で、デザインに相当の独自性と芸術性がある場合、たとえ一部の構成要素がさほどの独自性を有しなくても、デザイン全体としての著作物性が認められる可能性もある。
(二)GUIはソフトウェア著作物に属しない
『計算機ソフトウェア保護条例』第二条、第三条により、ソフトウェア著作権の保護対象は電子計算機のソフトウェアであり、具体的にはプログラム及びそれに関するドキュメントが含まれる。
プログラムとは、特定の結果を得るためにコンピューター等の情報処理能力を持つ装置が識別・実行可能なコーディングシーケンス、又はコーディングシーケンスに変換可能な命令もしくはテキストを指す。著作権法において、同一のプログラムのソースコードとオブジェクトコードは同一の著作物と見なされる。
ドキュメントとは、プログラムの内容、構成、設計、機能、仕様、開発状況、テスト結果、および使用方法を説明するための文書資料や図表等を指し、具体的にはプログラム設計仕様書、フローチャート、ユーザーマニュアル等が含まれる。
前記定義を踏まえ、GUIは、プログラムの実行結果を画面で表示されるものであり、ソフトウェア著作権の保護対象に属しないと言わざるを得ない。
とはいうものの、ソフトウェア著作権侵害事件において、保護対象のソースコードの呈示は往々にして難しいため、GUIはソースコードの同一性の審査指標として使われることが多い。
三
反不正当競争法によるGUI保護
専利法、著作権法の他、反不正当競争法による保護も可能である。具体的には、第六条(混同惹起行為)第一項又は一般条項である第二条(信義誠実原則違反)に依拠することができる。
(一)他人の一定の影響力を有する商品の包装、デザインの無断使用(第六条)
『反不正当競争法』第六条第一項にいう「一定の影響力を有する商品の包装、デザイン」とは、市場において相当の認知度と識別力を有し、需要者に当該商品の生産者やブランドを連想させる商品の包装、デザインを指す。
(2019)京0491民初1957号事件において、原告人のテンセント社は、被告の青曙社が開発した「吹牛」アプリは自社の「Wechat」アプリ全体及び「Wechatラッキーマネー」の画面と同一なデザインを使用し、不正競争に該当するとして提訴した。「Wechat」と「Wechatラッキーマネー」のGUIはいずれも周知されるものであるが、法院が「一定の影響力を有するデザイン」と認めたのは「Wechatラッキーマネー」のGUIのみであった。
法院は、テンセント社の「Wechatラッキーマネー」のインターフェースはそのスタイル、レイアウト、色彩の組み合わせ等に構成された独自性のあるデザインであり、また、それを見た需要者はその開発者を連想することができるため、識別機能も有し、「一定の影響力を有する商品のデザイン」に該当すると解した。
それに対し、「Wechat」のGUI全体は機能の実現、操作の利便性、ユーザーのニーズを満たす等機能上必要とされる検索欄、チャットリスト、チャットページ、アイコン等に構成され、いずれも同類のアプリにありふれる独自性のないデザインであり、「Wechat」アプリやその開発者を連想させる機能も果たしておらず、「一定の影響力を有する商品デザイン」に該当しないと解された。
総じて言えば、GUIの文字、図形、色彩、又はこれらの配列、結合に相当の識別力及び周知性を有する場合、「一定の影響力を有する商品デザイン」に該当し、反不正当競争法による保護を受けることができる。他方で、各種要素及びこれらの組み合わせは機能上の理由による選択又は通常のデザインであって、出所識別機能を発揮できない場合、保護を受けることができない。
(二)信義誠実原則の違反(第二条)
『反不正当競争法』第二条は「経営者は生産・経営活動において自由意思、平等、公平、信義誠実の原則を遵守し、法律及び商道徳を遵守」することを規定しており、同法の基本原則を設ける一般条項である。
(2018)京0108民初51773号事件において、法院は、被告人の商丘市欣动食品科技有限公司が自社のアプリに他社の「快手」アプリのGUIを無断で使用することは、何のコストも負担せずに他人の利益だけを得る「ただ乗り」行為であり、信義誠実の原則及び商道徳に違反し、それゆえ、反不正当競争法第二条に違反すると解した。
なお、同条を適用する際に謙抑性の原則を守る必要がある。すなわち、市場競争の秩序を撹乱し、他の経営者又は需要者の合法的利益を損害する非難すべき行為である一方、反不正当競争法第二章(第二条の混同惹起行為を含む)、専利法、商標法、著作権法等のいずれを通じても規制できない場合であってはじめて、同条の適用が認められる。
四
まとめ
電子機械の広範な応用に伴い、GUIの保護問題もますます重要視されるようになっている。なお、GUIの保護において、各種法的手段にそれぞれの特徴と制限がある。権利者として、専利法、著作権法、反不正当競争法等手段を活用し、実情に応じた権利保護戦略を考案する必要がある。また、GUIはより新しい権利の客体であり、それを取り巻く法律環境も変化しつつあるため、関連法律の改訂や司法実務の動向に目を配ることも重要である。
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撰稿|姚沛通 审核|肖维平
翻译|郑 昕 编辑|陈丝华
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